瓦屋根の雨漏り修理費用は安いもので5万円〜、高額なもので100万円〜と修理方法や雨漏りの状況によってかなり幅広いです。
そのため、修理方法や雨漏りの原因について理解しておかないと、見積もりの際に思いのほか高額な費用を請求されてしまう場合も、、、
そこで今回は、瓦屋根の雨漏り修理にかかる費用について、以下のポイントに焦点を当てて解説していきます。
・【修理方法別】瓦屋根の雨漏り修理費用相場
・瓦屋根の雨漏りの原因3つ
・瓦屋根の雨漏り修理費用を抑える方法
・瓦屋根の雨漏り修理を依頼先について
瓦屋根の雨漏り修理を検討している方はぜひ参考にしてください。
【修理方法別】瓦屋根の雨漏り修理費用相場
瓦屋根の雨漏り修理費用相場を以下の表にまとめてみました。
部分補修 | 5〜30万円 |
棟瓦の補修 | 30〜50万円 |
瓦の葺き直し | 50〜100万円 |
瓦の葺き替え | 120万円 |
表の通り、瓦数枚の部分補修のような簡単な作業であれば5〜30万円、瓦の葺き替えを行う場合は100万円以上と、修理内容によって大きく異なります。
・新築で瓦数枚が割れてしまった場合は比較的安価に抑えられる
・築年数が経過して屋根全体が劣化している場合は葺き替えなど高額になりやすい
上記のような費用感が一般的とでしょう。
また、使用する材料や依頼する業者によっても費用が異なる場合もあるでしょう。
それぞれの修理方法を詳しく見ていきます。
瓦屋根の雨漏り修理①|部分補修
費用 | 5〜30万円 |
補修内容 | 瓦のズレやヒビの補修、漆喰の補修 |
破損原因 | 強風、飛来物、豪雨、劣化 |
工期 | 1〜5日 |
瓦にヒビが入っている、瓦数枚がズレている、漆喰が剥がれている場合の修理方法です。
強風による飛来物や豪雨が原因で瓦が割れたり、漆喰が剥がれたりします。
このような破損箇所を放置しておくと、破損した隙間から雨水が入り込み、雨漏りの原因となります。
わずかな隙間でも雨水が侵入すると内部の劣化につながるため、なるべく早めに補修しなければいけません。
補修する瓦の枚数が少ない、面積が狭いほど費用は安くなり、反対に枚数が多く、面積が広いほど費用が高額になります。
全面葺き替えなどに比べると安く抑えられる点がメリットでしょう。
しかし、屋根全体が劣化している場合は、雨漏りが再発する恐れもあるため、葺き替え、葺き直しを選んだほうが長期的に安くなる可能性があります。
住宅の築年数もふまえた上で部分補修を行うか、全体を葺き替えるか検討してみてください。
瓦屋根の雨漏り修理②|屋根棟の補修
費用 | 30〜50万円 |
補修内容 | 屋根の谷や山部分の補修 |
破損原因 | 強風、飛来物、豪雨、劣化 |
工期 | 3〜5日 |
屋根の瓦がぶつかる谷や山になっている部分の補修を行う修理方法です。
棟瓦の山は屋根の中で最も高くなっており、また谷は雨水が流れるため、棟瓦は雨にさらされやすい作りといえます。
そのため、屋根全体の中でも劣化が激しく、雨漏りの原因となりやすいです。
雨水が侵入しやすいため、棟瓦の多少のズレやヒビでも漆喰や野地板など内部の大きな劣化に繋がるでしょう。
内部へ侵入すると棟瓦全体の補修や積替えを行う必要があります。
棟の瓦を部分的の補修する場合であれば10万円前後と費用は安く抑えられます。
しかし、屋根棟の漆喰の塗り直しや棟全体の積み直しとなると30〜50万円と費用も高額です。
また、棟瓦の積み替えや漆喰の塗り直しなど全面的な補修となると足場も必要になるため、費用もかさみます。
ただし、瓦屋根の中でも大切な部分なため、なるべく費用を抑えずにしっかり補修することが大事です。
瓦屋根の雨漏り修理③|瓦の葺き直し
費用 | 50〜100万円 |
補修内容 | 下地材の補修・交換を行い、瓦を再利用する |
破損原因 | 強風、豪雨、劣化 |
工期 | 6〜10日 |
瓦をすべて取り外し、下地材を補修、交換した後、再度瓦を葺き直す修理方法です。
瓦の破損ではなく、下地材の劣化が原因で起こる雨漏りの場合に用いられます。
特に強風による瓦がズレることで、下地材が直接雨水にさらされた場合に多いです。
また、瓦自体の耐用年数が長くても、下地材の耐用年数が短く、先に下地材のみ交換する必要があるケースもあります。
瓦を再利用するため、費用を安く抑えながら瓦屋根全体を修繕できる点はメリットといえます。
一方で、瓦を新しいものにしないため、住宅の外観がキレイにならない点がデメリットでしょう。
瓦の耐用年数や住宅の築年数などふまえて、瓦も交換するかどうか検討してみましょう。
なお、瓦屋根全体の補修のため、足場が必須であり、比較的費用は高くなります。
瓦屋根の雨漏り修理④|瓦の葺き替え
費用 | 120万円〜 |
補修内容 | 瓦と下地材の両方を新しいものに交換する |
破損原因 | 強風、豪雨、劣化 |
工期 | 10〜15日 |
瓦や下地材をすべて新しいものに取り替える修理方法です。
既存の屋根材は一切使わず、新しい屋根へと交換するため、雨漏りの原因を根本から解決できます。
築年数の古い住宅で瓦、下地材共に耐用年数が過ぎている場合は、迷わず葺き替えを選択することをおすすめします。
また、雨漏りの規模が大きい場合も、部分補修で応急処置を行うのではなく、瓦屋根の全面補修がおすすめです。
さらに、住宅の外観を新しくできる点もメリットです。
既存の屋根材は使用しないため、和瓦から洋瓦など新しい屋根へ交換するのも良いでしょう。
デメリットとしてはやはり費用が高額なことです。
一般的には120万円以上、屋根の面積や使用ずる屋根材のグレードによっては200万円ほどかかる場合もあります。
今後も住み続ける必要がある場合、リフォームなどを行う場合に、あわせて屋根の葺き替えを行うと良いでしょう。
瓦屋根の雨漏りの原因は大きく4つ
瓦屋根の雨漏りの原因は大きく4つあります。
・豪雨による染み込み
・強風と飛来物によるズレ、破損
・施工不良
・経年劣化
雨漏りは原因特定が難しく、何が原因かはっきりわからないことも多いです。
ただし、考えられる原因として上記4つがあげられるので、事前に知っておくだけでも早期に雨漏りを防げる可能性があります。
大切な住宅を雨漏りから守るためにも、それぞれの原因をしっかり理解しておきましょう。
瓦屋根の雨漏りの原因①|豪雨による染み込み
雨漏りの原因に瓦の隙間から雨水が染み込むケースが考えられます。
瓦屋根はきれいに並べられていたとしてもわずかな隙間が存在します。
雨量が多いとこのような瓦のわずかな隙間から雨水が入り込むのです。
通常は瓦の下地材である防水シートが防いでくれますが、防水シートが劣化していると雨漏りが発生します。
瓦屋根の雨漏りの原因②|強風と飛来物によるズレ、破損
強風や飛来物によって瓦がズレたり、破損したりするケースも雨漏りの原因として考えられます。
瓦がズレたり破損して防水シートが野ざらしになると、通常の雨でも防水シートが雨水を直接受けるため、雨漏りが発生しやすくなります。
防水シートにも耐用年数がありますが、雨水を直接受けると劣化も早くなるでしょう。
また、棟瓦にズレや破損がある場合は、雨水を受けやすいことから、より雨漏りへ繋がりやすくなります。
台風や強風などの次の日にはできるだけ点検することをおすすめします。
瓦屋根の雨漏りの原因③|施工不良
施工不良も雨漏りの原因として考えられます。
適切な施工がされていないとグレードの高い屋根材を使用しても、機能が活かされません。
施工不良の例として、瓦の継ぎ目にコーキングを打ったり、防水シートを正しく貼れていなかったりする場合があります。
屋根材の耐用年数よりも早く劣化が見られた場合は、施工不良も視野に入れて検討してみましょう。
瓦屋根の雨漏りの原因④|経年劣化
経年劣化も雨漏りの原因として考えられます。
屋根のメンテナンスや補修を一切行わずに築年数が経過した住宅であれば、瓦や下地材の経年劣化の可能性があります。
瓦の耐用年数として陶器瓦は約60年、素焼瓦は約45年、セメント瓦や燻瓦は約30年です。
また、防水シートの耐用年数は約30年です。
屋根を補修した時期から逆算して、耐用年数が近づいている場合は劣化が原因の可能性があります。
瓦屋根の雨漏り修理費用を抑える方法
瓦屋根の雨漏り修理費用を抑える方法として大きく2つあります。
・火災保険
・補助金
特に大規模な工事となると費用も高額になるため、なるべく費用負担を減らしたいところでしょう。
それぞれ詳しく見ていきます。
火災保険を利用する
一般的に火災保険は風災、雹災、雪災による瓦のズレや破損として認められた場合に適用されます。
そのほか、以下の条件にあてはまることも必要です。
・破損から3年以内
・費用が20万円以上
・経年劣化や人為的な被害ではない
上記から分かる通り、火災保険は雨漏り修理に対する保険ではなく、風災、雹災、雪災といった自然災害に対する保険です。
また、被害を受けてからしばらく放置して、3年後に雨漏りが発生した場合は適用されません。
そのため、台風の次の日などに屋根の状態を確認して、雨漏りが発生する前に行う補修に対して保険を利用するのがポイントです。
補助金を利用する
国や自治体の運営する補助金を利用して雨漏り修理費用にあてる方法もあります。
雨漏り修理の際に利用できる補助金の例として以下があげられます。
・リフォームに対する補助金
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
リフォームに対する補助金はお住まいの自治体名で検索してみると良いでしょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業は国が運営する補助金であり、以下の名目で設立されています。
良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う。 |
引用:令和3年度長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する説明資料
工事後の住宅の性能向上が必須のため、グレードの高い屋根材へ交換するなど、条件を満たすことで、雨漏り修理の費用を負担してくれます。
瓦屋根の雨漏り修理は優良業者へ依頼しよう
瓦屋根の雨漏り修理は施工実績の豊富な業者へ依頼しましょう。
具体的な施工実績を開示している業者は優良業者といえます。
特に瓦屋根は昔の工法を引き継いでいる場合も多く、対応できない業者も多く存在します。
瓦屋根について詳しいかどうか、依頼前に見極めることが大事です。
また雨漏りは業者でも判断が難しいため、雨漏り診断の実績のある業者もおすすめです。
的確に原因と突き止め、住宅に適した方法での補修を勧めてくれるでしょう。
当社ダイレクトハウスでは「戸建住宅劣化診断士」による建物調査を行い、住宅の状況を正確に診断したうえで最適なお見積をご提示したします。
ぜひ、瓦屋根の雨漏りで不安な方はご連絡ください。