「屋根の部分修理を依頼したら高額な全面葺き替えを勧められた」
「費用が気になって屋根修理を依頼できない」
これらは屋根修理におけるよくあるトラブルや悩みの例です。
屋根の破損、劣化状況が素人では正しく判断ができないため、適した修理方法や実際の費用がいくらなのか見当がつかないでしょう。
したがって、屋根修理は業者にすべて任せるしかなく、想定外の高額な費用を請求されたり、建物の外観を損なうような工事が行われてしまいます。
こうした問題を解決するためにも、屋根修理の種類や費用、メリット・デメリットなど基本については理解しておきたいところです。
今回は屋根修理の種類について以下のポイントをお話していきます。
・【7種類】屋根修理の費用とそれぞれの基本情報
・【全面葺き替えを勧められた】屋根修理でよくあるトラブルとは?
・屋根修理を依頼する業者選びのポイント3つ
・屋根修理の見積もりで注意したいポイント
・ダイレクトハウスの屋根修理とは?
納得できる費用、工事で屋根修理を依頼するためにも、ぜひ参考にしてください。
屋根修理の種類は全部で7つ
屋根修理は大きく7種類に分けられます。
種類 | 費用 | 概要 |
葺き替え | 100~250万円 | 下地、屋根材共に新しいものへ交換する |
葺き直し | 80~130万円 | 下地のみ交換し屋根材は再利用する |
重ね葺き(カバー工法 | 80~150万円 | 現状の屋根の上から新しい屋根を重ねる工法 |
屋根材の部分補修・交換 | 1~30万円 | 瓦やスレートなど部分的に破損している屋根材の補修や交換 |
棟板金の補修・交換 | 30~150万円 | 屋根の谷、山となっている部分の補修や交換 |
漆喰の補修 | 10~35万円 | 瓦屋根の漆喰の補修 |
塗装 | 30~70万円 | 平屋根や屋上バルコニーの塗装、塗り直し |
※費用は30坪の場合
屋根の形状や使用している屋根材、劣化・破損状況により、適している候補が異なります。
そのため、屋根修理を依頼するにはまず、住宅の状態に合わせた工法の目安をつけると良いでしょう。
なお、上記費用はあくまで目安であり、依頼する業者や屋根材、立地などにより費用は変動します。
それでは、それぞれの工法がどういった状況だと適しているのか、順番にみていきます。
葺き替え
工法 | 葺き替え |
概要 | 下地、屋根材共に新しいものへ交換する |
費用 | 100~250万円 |
メリット | 新しい屋根へ交換できる |
デメリット | 費用が高い |
工事が必要な事例 | ・住宅、屋根ともに劣化が激しく全面リフォームを行う場合 ・屋根の耐用年数が近づき、部分補修では修繕不可能な場合 ・環境に合わせて屋根を改修する場合 |
葺き替えは下地、屋根材共に全く新しいものへ交換する工法のことです。
住宅の築年数にともなって屋根の耐用年数が近くなったり、災害などで大きな損害を受けたりした場合に用いられます。
葺き替えのメリットとしては、屋根を全く新しいものへ交換できる点です。
部分的な補修では応急処置程度の補修しかできない場合がありますが、葺き替えは下地、屋根材共に新品に替えることができます。
新しいモノへ交換するため、リフォーム機能や災害に強い性能を屋根に備えることも可能です。
デメリットとしては費用の高いことです。
同じ面積で考えれば、下地材、屋根材、作業工程などもっとも手間のかかる工事といえます。
そのため人件費や材料費などもかさむため費用も高額になります。
リフォーム機能を備える工事の場合は補助金などを活用すると良いでしょう。
葺き直し
工法 | 葺き直し |
概要 | 下地を交換し、既存の屋根材を再利用する |
費用 | 80~130万円 |
メリット | 外観が変化しない |
デメリット | 費用が高い |
工事が必要な事例 | ・下地の耐用年数が近づいている場合 ・屋根材のずれにより下地が直接損傷した場合 ・耐用年数の長い瓦を使用している場合 |
葺き直しは下地のみ新しいものへ交換し、既存の屋根材を再度利用する工法です。
耐用年数の長い瓦を使用した屋根の場合、先に下地の耐用年数を迎えるため、瓦の僅かな隙間から雨漏りが発生したりします。
こうした場合に葺き直しを行います。
葺き直しのメリットは建物の外観が変化しないことです。
屋根材も交換する場合、住宅のイメージに最適な屋根材や以前と全く同じ屋根材が必ず手に入るとは限りません。
その点吹き直しであれば、屋根材は再利用できるため、一見大きな変化はなく屋根の機能を修繕することが可能です。
葺き直しのデメリットは費用が高い点です。
屋根材を再利用する分、葺き替えよりは安くなりますが、作業工程やそこにかかる人件費は殆ど変わりません。
また屋根を全面的に修理することには変わりないため、当然、足場代も必要になります。
屋根材は劣化していない、外観を変えたくない、という場合を除いては、葺き替えを検討する場合もあるでしょう。
重ね葺き(カバー工法)
工法 | 重ね葺き |
概要 | 既存の屋根の上から新しい屋根を重ねる |
費用 | 80~150万円 |
メリット | 費用が安い |
デメリット | 屋根が重くなる |
工事が必要な事例 | ・部分修理が困難な場合 ・費用を抑えたい場合 ・短期間で工事を完了させたい場合 |
重ね葺きは既存の屋根の上から下地(主に防水シート)と屋根材を重ねる、通称カバー工法です。
スレート屋根や金属屋根の場合のみ可能な工事であり、葺き替えや葺き直しよりも費用を抑えられ、工期も短いのが特徴です。
また瓦屋根の場合、瓦について知識を持っている職人さんが必要ですが、カバー工法であれば板金工職人に依頼できます。
カバー工法のメリットとしては、なんと言っても費用を抑えられる点です。
既存の屋根と下地の撤去が必要ないため、作業工程が大幅に削減でき、費用も安くなります。
また、工期も短く一般的な住宅であれば1週間ほどで完了する場合が多いです。
カバー工法のデメリットとしては、屋根が重くなる点です。
既存の屋根の上に防水シートと屋根材を重ねるため、住宅にかかる屋根の重量が大きくなります。
そのため、築年数の経過している住宅など耐久性に不安がある場合は施工できないことがあります。
住宅全体に影響するため、費用を抑えたいという理由で安易にカバー工法を選択せず、しっかり業者に確認してから依頼しましょう。
そのほか、瓦屋根やトタン屋根など既存の屋根の種類によっても施工ができない馬ありもあります。
ダイレクトハウスのカバー工法についてはこちら!
屋根材の部分補修・交換
工法 | 屋根材の補修・交換 |
概要 | 瓦の交換や破損箇所の補修、雨樋の修理など |
費用 | 1~30万円 |
メリット | 破損箇所のみのため手軽に依頼できる |
デメリット | 屋根全体の修繕につながらない |
工事が必要な事例 | ・飛来物による瓦の破損 ・強風による屋根材のずれ ・雨樋の破損 |
屋根材の補修・交換は瓦やスレートなどのズレや交換、ひび割れなどの部分的な補修などを行います。
通常であれば一部分のみ劣化するということはないため、飛来物による破損や強風、特定の箇所のみ風が当たりやすいなど、外的要因によるものがほとんどです。
部分補修・交換のメリットはその手軽さです。
1日で工事が完了するものも多く、費用も大幅に安く抑えられます。
部分補修・交換で完結するのであれば、気軽に依頼できる屋根修理といえます。
部分補修・交換のデメリットは屋根全体の修繕につながらないことです。
当然、部分的な補修になるため、屋根の耐久性向上には繋がりません。
屋根の劣化原因となりやすい箇所の補修であれば、屋根全体への影響を防ぐことはできます。
ただし雨漏りな、「一部分のみ補修すれば良い」と思っていると、屋根全体の修理が必要になりケースもあります。
応急処置に過ぎず、根本的な改善につながらないというケースもあるため、必ず専門業者に依頼して、部分補修のみで大丈夫か、確認してもらいましょう。
屋根診断ならダイレクトハウスにお任せください!
漆喰の補修
工法 | 漆喰の補修 |
概要 | 瓦屋根の漆喰の補修、塗り替え |
費用 | 10~35万円 |
メリット | 瓦屋根の劣化を遅らせられる |
デメリット | 職人さんに依頼が必要になる |
工事が必要な事例 | ・瓦屋根の漆喰が剥がれた場合 ・漆喰の耐用年数が近づいた場合 |
漆喰は瓦屋根の最も高い位置にある「棟」の台土を守る役割があります。
また、瓦の下地となる葺き土を守る、瓦を密着させるという役割もあります。
そのため漆喰の剥がれは内部へ雨水が侵入する原因となるため、定期的なメンテナンスや早めの補修が必要です。
漆喰補修のメリットは瓦屋根の劣化を遅らせられる点です。
瓦の耐用年数は30~50年と長いため、災害などの外的要因がない限り、瓦屋根は比較的長持ちします。
ただし、漆喰の剥がれによって内部に直接影響すると、耐用年数が近づいてないにもかかわらず屋根の劣化を早めることになります。
そのため、漆喰の補修は瓦屋根を長持ちさせるためにも必要です。
漆喰補修のデメリットは職人さんに依頼が必要になる点です。
通常の屋根屋では瓦や漆喰についての知識、技術がなく、対応できない場合があります。
知識がないと施工不良にも繋がり、瓦屋根全体の劣化を早める恐れもあるでしょう。
依頼する業者を探す際は、瓦屋根の修理実績をしっかり確認することをおすすめします。
塗装
工法 | 塗装 |
概要 | 平屋根やバルコニーの塗り直し |
費用 | 30~70万円 |
メリット | 費用を安く屋根を保護できる |
デメリット | 塗料のグレードにより費用が変動する |
工事が必要な事例 | ・平屋根の塗料が剥がれてきた場合 ・塗料の耐用年数が近づいてきた場合 |
塗装は平屋根や屋上バルコニーの表面の塗料を塗り直す工法です。
三角屋根は勾配がついているため雨水が流れやすいですが、平屋根の場合は雨水が溜まりやすくなります。
そのため排水機能とともに、防水性のある塗料を塗装する必要があります。
塗料の剥がれは屋根が雨水から受ける影響が大きくなるため、塗料の耐用年数に合わせて定期的な塗り直しが必要です。
塗装のメリットは費用を安く屋根を保護できる点です。
塗料のグレードによってはかなり費用を抑えられるため、大規模な修理が必要なく、屋根を保護できます。
塗装のデメリットは塗料のグレードにより費用が変動する点です。
最も安い塗料で1平方メートルあたり約1,500円ほど、高い塗料で約6,000円とかなり幅があります。
塗料の費用に塗装する面積を掛けるため、面積が大きい場合は高額になる可能性もあります。
屋根の状況や住宅の耐用年数なども加味して、最適な塗料を選びましょう。
塗料のグレード費用についてはこちらも参考にしてください
→【外壁塗装】はじめての外壁塗装で不安な方へ塗料の種類・特徴・選び方を解説!
「全面葺き替えを勧められた」屋根修理でよくあるトラブルとは?
屋根修理でよくあるトラブルとして、全面葺き替えを勧められるというケースがあります。
業者が全面葺き替えを勧める理由として大きく3つが考えられます。
・全面葺き替えはあらゆる問題を解決できる
・単価を挙げられる
・施工不良を防げる
全面葺き替えは屋根を新しいものへ交換できるため、雨漏りや部分破損などほとんどの問題を解決できます。
極端に言ってしまえば、全面葺き替えですべて解決するということです。
また、全面葺き替えにはそれなりの費用が必要なため、単価をあげられるという理由から勧めてくる場合もあるでしょう。
さらに、雨漏りなど難しい依頼で施工不良を防ぐために、全面葺き替えで対応する場合もあります。
雨漏りは根本的な原因を見つけるのが難しい場合があり、部分的な修繕では雨漏りが再発する可能性があります。
施工不良と判断されれば業者側の保証になることもあるため、全面葺き替えでまとめて解決するということです。
このような理由から全面葺き替えを勧められるケースが少なくありません。
ダイレクトハウスなら「戸建住宅劣化診断士」による徹底専門調査を行います!
屋根修理を依頼する業者選びのポイント3つ
適切な工法で屋根修理を対応してくれる業者を探すには以下3つのポイントを抑える必要があります。
・屋根修理の実績が豊富か
・保証内容が充実しているか
・自社施工かどうか
それぞれ詳しく解説していきます。
屋根修理の実績が豊富か
屋根修理の業者選びに、屋根修理の実績が豊富かどうかは大事なポイントです。
屋根修理は必要な資格がないため、誰でも屋根業者を名乗れることができます。
そのため、目に見えるもので業者を判断するために、屋根修理の実績を確認しておくと良いでしょう。
特に住宅の形状や屋根材の種類、対応した修理方法、費用など、修理実績が細かく記載されている業者は安心できる業者と言えます。
保証内容が充実しているか
保証内容が充実している業者も安心して依頼できる業者と言えます。
保証は施工不良が認められた場合に、業者側、もしくは第三者が追加の工事費用を負担する仕組みです。
保証が充実している業者は、全面葺き替えを勧めるような対応はせず、修理箇所に対して適切な対応をしてくれるでしょう。
【ダイレクトハウス】どんな屋根もお任せください
屋根修理は屋根の状態を正しく認識して、適した工法で修理することが必要です。
そのためには、経験の豊富な屋根業者への依頼が欠かせません。
屋根修理でお困りの事があればぜひダイレクトハウスへご連絡ください。