「カバー工法をおすすめされたけど、よく分からない」
「カバー工法のメリットやデメリットを知りたい」
こうしたお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
カバー工法は費用や工期を抑えられる、人気の屋根修理方法の1つです。
多くのメリットを持ち合わせている反面、カバー工法が適していないケースではデメリットになる場合もあります。
そこで今回は屋根修理の1つであるカバー工法について以下のポイントを解説していきます。
・カバー工法とは?費用や手順を解説
・カバー工法のメリットとデメリット
・カバー工法が適しているケース
ぜひ最後まで熟読いただき、カバー工法を検討する際の参考にしてください。
カバー工法とは?
カバー工法とは、既存の古い屋根の上から新しい屋根を重ねる工法です。
新しい屋根を重ねることから「重ね葺き」とも呼ばれます。
そのほかの工法では古い屋根を一度取り除き、その後新しい屋根を葺き直す「葺き変え」や、既存の屋根を一度取り除き、再利用して葺き直す「葺き直し」などがあります。
屋根修理の工法についてはこちらも参考にしてください。
既存の屋根を残したまま上からかぶせるため、カバー工法の屋根材は軽量であるガルバリウム鋼板が利用されるのが一般的です。
屋根カバー工法の施工方法
屋根カバー工法の一般的な施工手順は以下のとおりです。
1, 既存の屋根のホコリや汚れを取り除く
2, 新しい屋根の密着度を高めるために既存屋根を高圧洗浄する
3, ルーフィングシートを張るために棟板金など屋根の凹凸を取り外す
4, 既存屋根にルーフィングシートを張る
5, ルーフィングシートの上に新しい屋根材を施工する
6, 棟板金など必要な部分を取り付ける
カバー工法 費用
カバー工法の費用は1平方メートルあたり約9,000円〜15,000円が相場となります。
主な内訳は以下のとおりです。
概要 | 1平方メートルあたり費用 |
屋根材 | 5,000〜11,000円 |
軒・雪止め金具・棟板金などの取り付け | 3,000~11,000円 |
防水シート | 500~1,500円 |
足場費用 | 600~1,500円 |
※上記は目安です
屋根材を安価に抑えられれば全体の費用も抑えられます。
また屋根の形状が複雑だったり、棟板金など凹凸が多い場合は作業費もかさむため費用が大きくなります。
さらに、既存の屋根が古く、劣化が激しい場合は防水シートを室の高いものにしたり、コンパネを重ねる必要があるため、費用はかさみます。
住宅の現状や、見積もりの際の目安として検討していきましょう。
カバー工法 メリット・デメリット
カバー工法のメリット・デメリットは以下があげられます。
メリット | デメリット |
・費用が抑えられる ・工期が短い ・断熱性と遮音性が向上する ・野地板の結露を防げる ・工事中の雨漏りを防げる | ・屋根が重くなる ・施工できる職人が少ない ・デザイン性に乏しい ・メンテナンスが必要である |
それぞれ順番に見ていきましょう。
メリット
①費用が抑えられる
カバー工法は既存屋根を取り除く必要がないため、作業工程が大幅に削減でき、その分の費用を抑えられます。
またカバー工法は、ガルバリウム鋼板など比較的安価な屋根材で施工されるため、瓦などそのほか屋根材よりも材料費を抑えられる場合があります。
瓦屋根の修理費用相場はこちらを参考にしてください
②工期が短い
カバー工法は作業工程が少ない分、工期も短くなります。
屋根の面積にもよりますが、一般的な住宅であれば4~5日ほどで施工完了します。
また工期が短いため、雨などの天候に左右されづらいのも特徴です。
③断熱性と遮音性が向上する
カバー工法は屋根を重ねるため、断熱性と遮音性が向上します。
日照りの強い地域や雨の多い地域では、断熱効果や防音効果が見込めます。
④野地板の結露を防げる
野地板は屋根を支える木造部分であり、湿気による腐敗が起こると屋根が劣化していなくても修理を行う必要があります。
カバー工法を行うことで、屋根の外側と内側で温度差に変化が少なくなり、野地板へ湿気が発生を抑えることができます。
⑤工事中の雨漏りを防げる
カバー工法は既存屋根を残したまま上から新しい屋根を重ねるため、屋根の内部がむきだしになることがありません。
そのため、施工中に雨が降った場合でも雨漏りの心配がありません。
一般的な屋根のリフォームであればブルーシートを何枚も重ねるなどの対応が必要ですが、カバー工法であればわずかな対応で済みます。
デメリット
①屋根が重くなる
カバー工法は既存屋根の新しい屋根を重ねるため、屋根全体が重くなります。
スレート屋根の上からスレート屋根を重ねるカバー工法などは屋根の重さもかなりのものになるでしょう。
そのため、築年数の経過している木造住宅などは、住宅全体に負荷がかかるためカバー工法が出来ない場合もあります。
こういったこともあり、カバー工法は軽い屋根材を使用して施工されます。
②施工できる職人が少ない
カバー工法で使用されることの多いガルバリウム鋼板は金属のため、扱いが非常に難しいです。
そのため一般的な屋根職人では対応できない場合が多く、板金業者へ依頼する必要があります。
近年、ガルバリウム鋼板によるカバー工法の需要が高まり、板金業者の供給が追いついてないケースも見られます。
カバー工法を検討している場合は業者のガルバリウム鋼板を扱った実績を確認して依頼しましょう。
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③デザイン性に乏しい
カバー工法の場合、屋根材が限定されるため好みのデザインの屋根に仕上げるのは難しくなります。
和風の木造住宅であればカバー工法が似合わない場合もあるでしょう。
施工後に上から塗装できるかなども含めて業者に確認しておくと良いでしょう。
④メンテナンスが必要である
ガルバリウム鋼板などの金属屋根でカバー工法を行う場合、定期的なメンテナンスが必要です。
新しい屋根が破損して修理する場合、下に隠れている古い屋根も取り除く必要があるため費用や工数も掛かってしまいます。
屋根自体がきれいに新しくなるというわけではないため、定期的なメンテナンスを行い、屋根を清潔に保ちましょう。
カバー工法が適している・適していないケース
カバー工法が適しているケースとして以下があげられます。
・費用を抑えたい
・屋根材のみ劣化している
・15年〜20年で建て替えや引っ越しの予定がある
カバー工法は費用を抑えられるのが大きなメリットのため、費用を抑えたい方にはおすすめの工法といえるでしょう。
また、屋根材のみ劣化している場合も手っ取り早く屋根材のみ新しくできるためおすすめです。
さらに、15年〜20年で建て替えや引っ越しの予定がある方も、カバー工法はおすすめでしょう。
それ以上長く住む予定がある場合は、重ねた屋根が劣化した場合の修理が大掛かりになることを把握しておきましょう。
一方でカバー工法が適していないケースは以下のとおりです。
・一度カバー工法をしている
・耐震基準を満たしていない
・瓦屋根
・下地が劣化している
一度カバー工法を施工している住宅は再度カバー工法を行うことができません。
また、軽量の屋根材を使用したとしても屋根が重くなることは変わらないため、住宅の耐震性は低下します。
そのため耐震基準に満たない住宅はカバー工法が向いていません。
さらに凹凸の激しい瓦屋根も、ルーフィングシートを張れないため、カバー工法が施工できません。
これら住宅のケースを検討してカバー工法を依頼しましょう。
住宅のカバー工法はダイレクトハウスへ
カバー工法はさまざまなメリットがある反面、向いていないケースもあるため、業者に確認する必要があります。
ご自身の住宅で施工可能かどうか不安な方は、ぜひダイレクトハウスへご連絡ください。